どうすれば物事の本質を見抜くことができるのか-仮説思考+PDR法-

社会人の基礎力ハック

本質を理解することで最短で目的に到達できる!

ふと訪れた喫茶スライドのマスターにプレゼンの極意について教えてもらうことになった製薬会社営業(MR)の会社員Yという設定でやっています。

Sマスター
Sマスター

・・・暗い顔してどうなさったのですか?

会社員Y
会社員Y

はぁ~。。なんか会議で的外れなこと言って上司に怒られちゃって。的を射た発言ってどうすればいいんでしょうね。

Sマスター
Sマスター

本質を見抜く方法を理解できればYさんのお悩みが解決するのではないでしょうか。

会社員Y
会社員Y

本質・・・簡単に言いますけどそれが難しいんじゃないですか。

Sマスター
Sマスター

確かに難しいことではありますね。では、今回は本質を見抜くためにはどうすればよいのかを考えていきましょう。

本質を見抜くためには

本質を見抜くことはとてもむずかしいことです。本質だと思ってやっていたことが肉付けの部分だったりしたらゴールが異なってしまいますよね。

問題に取り組むときにはまず何が最重要なのか見極める意識が必要です。正しい努力を正しい方向に進めていかなければ迷路に迷い込み間違った答えに行きつく可能性があります。

80対20の法則をご存じでしょうか。

例えば、

「売上の80%は20%の顧客がもたらしている」

「エラーの80%は20%の業務から発生している」

「組織のパフォーマンスはトップ20%の人の働きで成り立っている」

というように80%という大多数を決めるのはたった20%の要素であるということです。

つまり20%やさらに言えば本質を見つけることができれば他の80%へはあまり目を向ける必要がないということです。

そうなると20%に集中すればいいので作業スピードが格段に速くなりますし、本質にフォーカスして密度を深く掘り下げることができます。

単純計算で20%のみで作業するので5倍は効率が上がるといえるでしょう。

逆に総花的なやり方、つまりノーフォーカスなのにディテールにこだわろうとしてしまうと無駄な時間を使ってしまうので今までそうしていた方は考え方を改めましょう。

上記でいかに20%の部分や本質にフォーカスすることが重要であるかはご理解いただけたのではないでしょうか。

ではどうしたら本質を理解することができるのでしょう。

本質を理解するためには仮説思考を育てていくことが大切です。この仮説思考はコンサルティングをする方々には必須の思考です。

仮説思考とは

限られた情報の中から、目標の達成・問題解決に向けた仮の結論(仮説)を持ち、その仮説に基づいて情報収集をし、仮説の実行、検証、修正を行っていく思考法のことを言います。

限られた情報から最終的に結論を導き出すので本質を導きださなければできない思考法のため本質を理解するのによいのではないかと考えています。

仮説思考のメリット

仮説思考を行うことで以下のようなメリットがあります。

まず一つ目に仕事のスピードが上がります。また、仮説つまり仮の答えを出さなければならないという決断力が磨かれます。

二つ目に仕事の質が上がります。仮説を立てて検証することで失敗したとしてもそれを糧に次の仮説を立てていけばよいのでどんどん仮説の精度が上がっていきます。結果的に本質に近い答えを導き出すことが可能です。

三つ目に全体像を把握する力が向上します。仮説思考は大雑把にでも全体を理解してから本質を理解するのでコツをつかめばすぐに異なる業種に飛び込んでも関係者と話しあうことも可能です。

また、何度も仮説思考で物事を考えることで全体像の理解が早くできるようになります。物事の全体像を理解できる能力はとても大切です。この能力が身に付けばすぐにいろいろな環境や問題に順応できるでしょう。

考えがシンプルかつ本質に迫る内容に集中しているので第三者にも伝わりやすい答えにたどり着くことができるというのもメリットですね。

仮説思考の方法

それでは実際この仮説思考について順序立てて考えていきましょう。

仮説思考の方法
①無駄を省く
②物事に優先順位をつける
③仮説を立てる
④検証する
⑤正しい結果に行きつくまで繰り返す

無駄を省く

Sマスター
Sマスター

日本人は特に、仕事をよりよくしていくことを意識しますよね。

会社員Y
会社員Y

それはそうですよ。資料はきれいに作りたいし、失敗したくないですから。

Sマスター
Sマスター

これが完璧主義に陥りがちな方の考え方です。

完璧主義という響きは一見よさそうに聞こえますが、100%できないと世に出さないため労力が必要以上にかかるし、何よりも時間がかかります。つまり、この完璧主義に陥ると生産性が著しく低下してしまいます。

では、どうしたらよいか。それは仕事の引き算をしていくことです。

会社員Y
会社員Y

でも、仕事の引き算って仕事をしないってことですよね。ほんとにいいのかな?なんか罪悪感が・・・。

会社勤めの方は、仕事があなたのもとに来た時点で、いろいろな部署や人を通ってすでに本質の業務に+αの贅肉がついている可能性が大いにあります。このことで本質がマスクされてしまうのでまずはスリム化していくことが大切です。

そうしなければこの+αの部分に力を入れてしまって本質の部分が疎かになってしまう可能性すらあります。

そうなってしまうと本末転倒ですよね。

この+αをそぎ落とす方法としては、目的とつながらないものはどんどん省いていくことです。

会社員Y
会社員Y

どのくらい省けばいいんでしょう。

Sマスター
Sマスター

あった方がよいくらいのものはいったん全てです。

この省く行為に対して人間には困ったバイアスがあります。

一つは現状維持バイアス(ホメオスタシス)。これはすでにもっているものに固執してしまうことで元からある仕事は大切であり、実は無くても困らないということを疑わないことです。ですのでいったん0ベースで本当にこの仕事はいるのかと全ての作業を疑ってみましょう。その中で時には、やらないと本当に困るのかをテストしてみることをお勧めします。

もう一つはサンクコストバイアスです。これはすでにお金や労力、時間を支払ってしまったという理由だけで損な取引に手を出し続けてしまう心理的傾向のことです。

この業務に時間をかけて温めてきたという想いだけで手放せなくなり、他のことが手につかなくなります。

そのことで他の可能性を見落としたり、異常に時間を費やしたりしてしまいます。不採算なものに金額を投資してしまい手が引けないということなどは本当に必要なのかどうかしっかりと意識することが大切です。

上記のバイアスを乗り越えるために、不安に思ったときは「切り捨てる勇気がないだけじゃないか」と自分を奮い立たせましょう。「大事なことと瑣末なことの区別がつかないのか俺は・・・」などと問いましょう。

会社員Y
会社員Y

実際、大事なことと瑣末なことの区別がつかないのですが・・・泣。

Sマスター
Sマスター

自分の判断をしっかりと持つことを意識しましょう。特に言語化することで自分の頭を整理することが大切です。

言語化については、以前お伝えさせていただいた物事を理解するためにの記事をご覧いただければ幸いです。

優先順位をつける

無駄を省いていったら残った必要なものの中から優先順位をつけていきましょう。

そうすることでさらに不要な部分が見つかる可能性がありますし、次の仮説を立てるための準備にもなります。

仮説を立てる

無駄を省き、優先順位をつけたら次は仮説を立ててみましょう。

この仮説立ては少ない情報で全体構成を考えて行いましょう。足りない情報などがあった場合はその都度必要な情報を追加していけばOKです。粗くてもいいのでスピードを上げましょう。

会社員Y
会社員Y

正しい仮説を立てる自信がないです。

Sマスター
Sマスター

もちろん正しい仮説を立てられた方がよいのですが、間違っていても問題ないです。範囲を絞って自分なりの仮説を立ててみましょう。その間違いから得た問題点をもとに新たな仮説を立てればよいです。

この間違っていた仮説というものはイコールこの仮説ではなかったという一つの証明でもあり、とても得るものは大きいです。こういう失敗を繰り返すことで本質が鋭く磨かれていきます。

ですので意識することはスピードです。漫画の主人公のように何度倒れても立ち上がり戦いましょう。そのためにはひとつひとつの仮説検証をスピード感をもってやっていく必要があります。

また、仮説は必ず言語化しましょう。言語にすることで頭の整理が可能になります。

それがプロジェクトなどの場合は、関係者にしっかりと仮説を共有しましょう。他の仮説などを出し合ったりすることでも仮説の精度は上がります。

あなたが部下に指示をする場合などにおいても目的や仮説を共有していきましょう。

自分以外の相手がいる場合は、良い面とは裏腹に、本質以外の部分の肉付けをしようとする人も現れます。基本的に良かれと思ってやっていくことを否定するのはとても気のひけることですがシンプルな答えを導き出す邪魔になりそうなものはしっかりと不要である旨を伝えましょう。

検証する

仮説を立てたらあとはもうひたすらにその仮説を検証していきましょう。

その仮説が間違っていると分かった時点で、その理由や他の仮説の可能性などを考え次の仮説につなげていきましょう。

正しい結果に行きつくまで繰り返す

Sマスター
Sマスター

PDCAサイクルをご存知でしょうか。

会社員Y
会社員Y

PLAN(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)ですよね。うちの会社でも嫌ってくらい聞かされます。どうせPDCAサイクルを回せっていうんでしょう?

Sマスター
Sマスター

いいえ。実は最近ではもはやPDCAは古いといわれてさえ言われています。今回お伝えしたいのはPDR法です。

PDCAでは計画を考えるのに時間がかかるうえ途中でその計画が間違っているんじゃないかと思ってもCheckの段階まで評価を行わないのでそこまで結果が得られないという問題があります。

最近ではPDR法と呼ばれる方法がでてきていて私はこちらをお勧めしています。

P=Prep:準備段階:目標・目的をざっくり準備。計画を立てるわけではない
D=Do:実行する
R=Review:改善点は何か

これを小さく細かく回していき最終的な達成に行きつくというものです。

今回の仮説思考の考え方とまぜると、Pの時点で仮説、目的をざっくりと立て、Doの検証、つまり実行してみる。そして、改善点や問題点をReviewーし次の仮説に移っていく。

このようにPDR法は早いスパンで回すのですぐに実行でき、そしてすぐ改善することができますのでとても学びが多い方法です。

この方法で重要なのは先ほどの仮説の部分でもお伝えしたスピードを意識することです。

悩んでいることに気づいたら休憩して考え直す。

悩まずにPDRを高速で回すことを意識していきましょう。

<本記事の出典>

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