16時間ファスティングで健康力を高めよう！
食事の大切さは理解できましたが、わかりやすく効果を実感できるような方法ってあります？
向き不向きがありますが、以前お伝えした16時間ファスティングがおすすめです。あっている人であればすぐにでも効果が実感できると思います。
社会人の基礎力向上のために社会人が大切にすべき食習慣ついて、以前の記事でご紹介しました。
今回はこの中でもご紹介した16時間ファスティングについて深堀していきます。
食事は健康にとっての最重要ポイントなので、絶対に意識するべきことの一つです。
食べたもので身体ができているので良いものを食べたほうが良い身体、脳を得やすく、良いパフォーマンスが発揮できるというのは言うまでもありませんね。
ただ、基礎となるものについてはなかなか効果を感じづらいもの。
そこで、私が実践してきたことのなかで効果を実感しやすかった、16時間ファスティングについて今回はもう少し詳しくご紹介していきます。
16時間ファスティングのメカニズムについて
16時間ファスティングとは、読んで字のごとく16時間食べない時間を作る断食方法を言います。
そもそもなんで16時間食べないことが体に良いのですか？
食事をとると腸は消化吸収に大半のエネルギーを消費しますが、腸には実はそれ以外にも仕事があり、消化吸収以外の仕事に注力できたり、整理整頓ができたり、休憩したりできるからです。
私たちが意識していないところで身体の中では様々な臓器が働いています。
その臓器たちを休ませてあげたり、いたわってあげたりすることで頭や体が最適に動くことができるようになります。
特に消化については、3食食事をとることを考えるといつも働いているといっても過言ではありません。
その消化に使うリソースを他の働きに注力させてあげることが16時間ファスティングになります。
16時間ファスティングのメカニズムには、主に以下のようなものがあります。
インスリン感受性の改善
食事を摂取しない16時間の断食期間により、インスリン感受性が改善されます。
インスリンとは膵臓から分泌されるホルモンの一種で、糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保つ働きを持ちます。このインスリン血中濃度の感受性がよいと、血糖値の低下や細胞分裂の促進などの応答を正常に行えます。
このインスリンの感受性が悪い（抵抗性がある）と、筋や脂肪組織の糖取り込み能が低下し、肝臓では糖新生が抑えられなくなります。その結果、血糖値が下がりにくくなり、血糖値を正常状態に戻すために通常よりも多くのインスリンが必要となってしまいます。
この状態が続くと膵臓のインスリン分泌機能が低下し、血糖値が上昇するためにⅡ型糖尿病を引き起こすといわれています。
脂肪の代謝促進
16時間ファスティングにより、実質1食分食事の機会を減らすことになります。
16時間ファスティング中は基本的には1食もしくは2食となるのが普通です。
そのため、1食分、いつもより食物からのエネルギーを得られないため、脂肪の代謝が促進されます。
基本的に身体は糖をエネルギー源として使用していますが、糖分が枯渇すると、脂肪がエネルギー源として使用されるようになります。
脂肪が使用されることで体重減少に加え引き締まった身体も得ることができます。
オートファジーの促進
16時間ファスティングにより、身体は自己修復のために必要な栄養素を効率的に利用するようになります。これにより、細胞レベルでのオートファジーが促進されます。
オートファジーってなんです？？？
最近注目されている体内の調整機構の一つです
オートファジー（Autophagy）とは、細胞内の老化した、または損傷した細胞質や細胞内の有害な物質を分解する過程のことです。オートファジーは、細胞の生存に重要な役割を果たしています。
オートファジーは、細胞のストレス応答や栄養不足時によって活性化されます。
栄養不足時には、オートファジーがエネルギー源として機能し、細胞が生き残るために必要な栄養素を生成してくれます。また、オートファジーは細胞の老化やがんの発生の抑制にも関連していることが示唆されています。
さらにオートファジーによってミトコンドリアへミトファジーを起こさせます。
ミトファジーとはオートファジーの一種であり、老化したミトコンドリアや機能不全のミトコンドリアを選択的に分解するプロセスです。
これにより、異常なミトコンドリアが細胞内で蓄積することを防ぎ、細胞の健康状態を維持します。ミトファジーは、ミトコンドリアの品質管理システムとして機能し、細胞のエネルギー供給やストレス応答に重要な役割を果たします。
成長ホルモンの分泌
16時間ファスティングにより、成長ホルモンの分泌が促進されます。成長ホルモンにはさまざまな効果があります。
ひとつに、筋肉の合成を促進し、筋肉量の増加につながります。筋肉量が上がることで基礎代謝率が上がり、脂肪の燃焼を促進します。
また、骨の成長と発達に関与するため、骨密度の増加にもつながります。骨密度が高いと、骨折のリスクが低下するため、健康的な骨の発達に重要な役割を果たします。
さらに、免疫系の機能を改善する働きがあります。成長ホルモンは免疫細胞の数や活性を増加させることがあり、抗体の産生や免疫応答の強化に寄与します。また、成長ホルモンは免疫細胞の成熟や分化を促進することで、免疫応答の効率を高めることがあります。
以上のようなメカニズムにより、16時間ファスティングは身体の代謝を変え、体重減少や健康上の利点をもたらすことができます。
16時間ファスティングのコツ
でも、16時間も断食するってかなりきついのではないですか？
始めは少し大変かもしれませんが、少しずつ慣れてくると思います。
いきなり16時間ファスティングを毎日行っていくというのも人によってはかなり大変かもしれません。
そこで16時間ファスティング継続のコツのようなものをご紹介していきます。
気軽に考える
16時間ファスティングとはなっていますが、いわば“できるだけ空腹状態を保ちましょう“というのが趣旨になりますので、絶対に16時間じゃないといけないというわけではありません。
個人差があるため、15時間ファスティングやそれよりも短い場合でも効果を感じることができる可能性があります。
重要なのは、自分に合ったファスティング方法を見つけ、継続することです。ただしっかりとした根拠のあるデータを実践したいという方は16時間を目標に頑張りましょう。エビデンスは豊富にあります。
最初はまず12時間程度の断食時間で始めてみて、少しずつ時間を延ばしていくという方法がおすすめです。
寝る前と後で挟む
朝起きてから16時間と考えるととても大変だと思います。そこで睡眠時間を計算にいれましょう。
8時間寝ると考えるとその前後4時間食事をとらなければOKです。そう考えると少し楽に感じると思います。
摂る食事は栄養バランスの良い、良質な食べ物をとる
食事をする時間帯では、栄養バランスの良い食事を摂るように心がけましょう。
良質なタンパク質、複数のビタミン、ミネラルが含まれる野菜、低GI値の炭水化物など、バランスの良い食事を心がけます。
食事を摂れる時間に一日に必要な栄養素を2食分でも賄えるように考えていきましょう。
そのために食事管理アプリなどを利用すると取りこぼしなく必要な栄養を摂取することが可能です。
わたしは数年前からカロミルというアプリを使用していますが、入力も難しくなく1日分の記録に10分あれば入力可能です。
空腹時間が長い懸念点として、筋力の低下があります。筋力の低下を抑えるためにも高タンパクな食事をとり、運動習慣を意識することも大切です。
また、一回の食事の質を上げることで食費が上がるのではという懸念もあるかと思います。
このあたりは、食事へのコストアップは”自分の将来のため”と思えば必要経費ですし、”朝の食事が減る分を2回の食事に回した”などの意識でよいかと思います。
水分を十分に摂取する
16時間ファスティング中も水分の摂取は問題ないです。
ただし、糖分などの入ったものは控えましょう。
水、ハーブティ、コーヒー（カフェインは摂りすぎに注意）や無糖のお茶などは飲むことができます。
以上続けるコツについてお伝えしてきましたが、これらの方法で実践してみた際に、必ずご自身の健康状態は日々確認してください。
特に、低血糖症や食欲不振、栄養不良などの状態がある場合は医師に相談することをお勧めします。それ以外の原因などで自分には合わないと思ったらやめちゃいましょう。
メリット
改めて16時間ファスティングのメリットって何です？
16時間ファスティングにはたくさんのメリットがあります。以下にご紹介していきます。
ルックスが良くなる
16時間ファスティングは、1食分少ない分、摂取するカロリー量が減ること、また、脂肪の代謝を促進し、脂肪燃焼を促進することから減量に効果があります。
短期間の研究によると、16時間ファスティングを行うことで、体重や脂肪量が減少することが示されています。また、16時間ファスティングを継続的に行うことで、減量を長期的に維持することができるのでリバウンドの心配も少ないです。
筋肉の合成を促進し、筋肉量の増加につながります。筋肉量が増えることで、疲れにくい身体が得られたり、ルックスがよくなったりします。基礎代謝率が上がり、脂肪の燃焼を促進することにも働くので、引き締まった身体が得られるでしょう。
病気リスクの低減
16時間ファスティングは、インスリン感受性を改善できることをメカニズムのところでご紹介しました。インスリンは、血糖値を下げるホルモンであり、インスリン感受性が低下すると糖尿病のリスクが高まります。16時間ファスティングを行うことで、インスリンがより効率的に作用するようになり、糖尿病のリスクを低減することができます。
また、研究によると、16時間ファスティングを行うことで、身体の炎症反応が抑制され、炎症性疾患のリスクが低減されるとされています。
上記インスリンの効果と炎症抑制効果にあわせ、体重の減少や体脂肪の低下が起こると、運動能力が向上し、運動に少しずつ自信がつくようになります。適度な運動は心血管機能を改善します。このことで、さらに血圧やコレステロール値が改善し、心血管疾患のリスクが低減されるとされていくという正のスパイラルに入っていきます。
運動の大切さについては以前紹介させていただきました。参考にご覧ください。
さらに、成長ホルモンの分泌により、免疫機能が向上します。免疫系を強化することで、感染症や病気への抵抗力が向上し、健康的な生活をサポートすることができます。
老化の防止
オートファジーについてメカニズムの部分でご紹介しました。
オートファジーにより、老化した細胞質や損傷した細胞内成分を分解し、再利用可能な成分を生成します。これにより、細胞内の不要な物質や異常なタンパク質が排除され、細胞の健康維持に寄与します。
細胞が健康になることで、細胞の機能を維持することができます。身体は細胞の集まりです。そのため、健康な細胞が多くなればなるほど組織が若返り、見た目も身体機能も若返ります。
寿命に関係するといわれているミトコンドリアにも良い影響を与えます。
ミトコンドリアは、エネルギー産生や細胞内の酸化ストレスの管理など、細胞の重要な機能を担っています。しかし、時間の経過とともにミトコンドリアは機能が低下し、老化します。
老化したミトコンドリアは、エネルギー産生効率が低下し、酸化ストレスを増加させることがあります。これにより、細胞の機能低下や老化が促進される可能性があります。
オートファジーにより、老化したミトコンドリアや機能不全のミトコンドリアを選択的に分解するミーファジーが起こります。これにより、異常なミトコンドリアが細胞内で蓄積することを防ぎ、細胞の健康状態を維持します。ミーファジーは、ミトコンドリアの品質管理システムとして機能し、細胞のエネルギー供給やストレス応答に重要な役割を果たします。
ミトコンドリアが健康じゃないと老化の原因である活性酸素の除去が遅くなり、老化し寿命が縮まりますが、逆に健康なミトコンドリアに恵まれることで、寿命を延ばすことができる可能性があります。
睡眠改善
16時間ファスティングは、睡眠の質を改善することができます。
消化器系は副交感神経優位の時に活動的になります。
寝る直前に食事を摂取しないことで、身体が消化や代謝にエネルギーを使わず、よりリラックスした状態になり副交感神経が優位になります。
睡眠が改善するとその間に体は適正な状態に保つように動きますので健康に近づきます。
睡眠の大切さは以前紹介させていただきました。こちらも参考にしていただけますと幸いです。
脳機能の改善
16時間ファスティングは、脳機能を向上させることができます。
これは、脳細胞がオートファジーによって老廃物を除去することができ、脳の健康を維持することができるためです。
研究によると、16時間ファスティングを行うことで、神経細胞の成長が促進され、認知能力や記憶力が向上するとされています。
デメリット
こんなメリットばっかりならやるしかないじゃないですか！
デメリットもあるので、それも踏まえたうえでかつ試してみて自分にあっていないと感じたらいつもの食事に戻していただくことも考えていただいた方が良いと思います。
人によってはきつい
16時間の間は食事を制限する必要があるので、食事を制限することにストレスを感じる人や、食事の制限によって栄養バランスが崩れる可能性がある人、低血糖の人は避けるべきです。
逆に太るかも
16時間ファスティングによって、身体にエネルギー不足を感じることがあります。
そのため、16時間ファスティング後に食べ過ぎる傾向があるため、過剰なカロリー摂取につながる可能性があります。反動で食べ過ぎてしまうようであればやめるべきだと思います。
家族や友人との食事時間などの関係
16時間ファスティングを続ける場合、食事の時間制限があるため、社交的な食事や家族での食事などが制限される場合があります。
家族との食事、友人との飲み会など大切なひと時が皆さんにあると思います。
そういった場合はその時間を大切にしてください。
まとめ
本日は16時間断食についてお話してきました。
個人的には人生が変わるくらい自分を変えられた方法の一つですが、実際食事法というのはいろいろあり、3食食べる方がよいという人もいるでしょうし、数時間ごとに少しずつ食べるといった食事法など様々です。
そういった中で、全員に合う方法などは個人的にはないと思っているのでいろいろ試したうえで、自分に合う方法を探し求めてください。
16時間ファスティングのご提案は皆さんが健康になってほしいと思って提案していることなので、これを行うことで悪い影響があった場合は即やめてください。
その方にはその方の適した食事法をまた探してみてください。
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