目標設定の方法とは‐挫折しない目標を立てるコツ‐

社会人の基礎力ハック

正しい目標設定でなりたい自分に近づける

ふと訪れた喫茶スライドのマスターにプレゼンの極意について教えてもらうことになった製薬会社営業(MR)の会社員Yという設定でやっています。

会社員Y
会社員Y

期の始まりですね~今期の目標を設定していきたいと思うんですが目標設定って苦手なんですよね。

Sマスター
Sマスター

目標を設定することは難しいですよね。あいまいだったり難しすぎたりすると達成は見込めずすぐあきらめてしまうという経験を誰しもがしているはずです。

会社員Y
会社員Y

いつもそんな感じです。最初はやる気があるのですが達成した記憶はほぼないに等しいです。

Sマスター
Sマスター

ただ、目標さえあれば迷ったり方向性がわからなくなって立ち止まったりすることを防ぐことが出来るので上手く使えればものすごい効果を発揮します。

今回はこの目標設定について考えていきましょう。

目標設定について

年始にこの一年の目標として「何キロダイエットする」、「収入UP」、「資格をとる」などご自身の仕事についても「プロジェクトを成功させる」「売上を上げる」などいろいろ目標を作っているのに達成できない方は少なくないと思います。

では、なぜ達成できないのでしょう。

あなたの意志力の問題?

高望みしすぎた?

色々な事情はあると思いますが、目標の設定方法が間違っているということを意外と意識していない方が多いです。

もしくは間違っていることがわかっても何が間違っているのかわからないという方もいるでしょう。

今回はこの目標設定について考えていきます。

目標設定のメリット

まず目標を設定する意味から考えていきましょう。

目標を設定することは、漠然としたゴールを分析して、その実現の為に必要なタスクを整理するとても有効な手段です。

あなたがなりたいと思う未来像があればそれを達成するために重要な方法ということです。

ただ、ゴールだけを決めることだけが目標設定となっている方が多く、実現のためのタスクの整理を忘れがちです。

上記の例でいう今年の目標などが達成できないのは、実現のために何をするのかという行動目標が考えられていないことが原因なのです。

行動目標について

Sマスター
Sマスター

会社や組織での目標があなたに向けられたときあなたはどのように考えますか?

会社員Y
会社員Y

「売上○億とか言われてもな~」と自分と分離して考えてしまったり、「自分は何をすればいいの」と具体的な行動が思いつかないでぴんとこないことが多いです。

上記の例と同様、1年の目標において「ダイエットする」という目標を設定するとして具体的にはどうするなどとは決められないのが現状ではないでしょうか。

決めたとしても運動する、お菓子を我慢するなどでは決められていないと同じです。

ここで重要なのが動目標です。

大項目である漠然とした目標を自分のできる行動目標に細分化していけばよいのです。

目標設定の方法について

問題・課題・成果を整理する

Sマスター
Sマスター

さて、目標設定の前に問題・課題・成果について違いがわかりますか?

会社員Y
会社員Y

成果は行動によって得られる良い結果のことですよね。ただ、問題と課題の違いがわかりません。

目標設定をする際、この3つの単語の理解が重要ですので一度整理しましょう。

問題・課題・成果とは

問題
 あるべき姿と現状のギャップのことで、目標達成のために解決しなければならない事柄。
●課題

 あるべき姿と現状とのギャップを埋めるために、やるべきこと。 問題を解決するために起こす具体的なアクションのこと。
●成果

 設定された課題に取り組んで得られる結果のこと

つまり、問題解決のために具体的なアクションである課題を設定し、課題をクリアすることで得られる成果をもって問題を解決するということです。

この3点をしっかりと設定することが目標達成には欠かせません。

では、この問題・課題・成果の設定について具体的に説明していきます。

問題の設定

先にお伝えしたとおり、問題を設定するということはあるべき姿現状のギャップを考えることです。

また、この「あるべき姿」とは、目指すべき結果、状態のことや組織から与えられたゴール目標などのことです。

達成するためには現状では何が足りないかを考えていきましょう。

会社員Y
会社員Y

いざ考え始めると問題点が多すぎて・・・泣

Sマスター
Sマスター

落ち込まないでください。

問題点は見つかれば見つかるほどよいのです。

問題が多いということは今までに見えていないものが見えてきたという証拠です。

この時点ですでに考える前の自分よりも成長していると実感しましょう!

また、問題点は出てきたけれど、「難しすぎるから」、「今の自分にはかけ離れているから」と書き直す必要もありません。

問題点を考える際は、難易度は意識せず事実だけを捉えましょう。

問題点を出し切ったら、次に優先順位をつけていきましょう。

優先順位の付け方としては、 QCDの視点を用いると効率がよいです。

QCDとは、一般的に製造業において生産管理を行う上で考えるべき3つの要素の頭文字を取った造語で、それぞれ以下の要素を指しています。

QCDとは

Q:Quality(品質)
C:Cost(費用)
D:Delivery(納期)

このQCDをバランス良く設定するのが理想的です。

ただ、目標によって重視する点は異なってくるかと思います。。

ですので、このQCDの順番をあなたの中で決めておくことをおすすめします。

基本的にはQ:品質>D:納期>C:コストの順で考えるのがよいとされていますが、あなたの業務や目標、環境によっても変化するものだと思います。

会社員Y
会社員Y

ダイエットに絶対お金をかけたくないとか、コンクールなど納期が絶対に決まっている場合など優先度が違いますもんね。

優先順位を上げるべき問題

QCDについてお伝えしましたが、以下の場合については特に優先順位を上げることをおすすめしています。

重大なリスクをもたらしかねないもの

人間、特に日本人は利益の大きさよりも損失の大きさに影響されます。

これは行動心理学でプロスペクト理論と呼ばれるもので、そういう性質があるということです。

例えば、ギャンブルにおいて10万円かけたら1/2の確立で100万円になるという場合、かけたほうが期待値は明らかに高いことはわかると思いますが、10万の損失は大きいと感じやめてしまう人が多いです。

心のダメージ、モチベーションの低下は今後の目標達成に悪い影響を与えます。

もちろん組織などにおいては関係者皆の士気に影響してきます。

リスクは回避しましょう。

業績に著しくインパクトのあるもの

「明らかにこれをすれば伸びるのに!改善するのに!!」とわかっていても少し難しいからと先送りしているものはありませんか?

思いつくことは真っ先にそれを行いましょう。

簡単で小さなことよりも達成にインパクトのあることを行った方がよいでしょう。

例)売上が明らかに見込める顧客へのアプローチ、ダイエットの際、食事制限だけでなく運動を取り入れる、難関試験に独学で挑むのではなくスクールに通うなど

そこを解決しないと次にいけないもの

目標達成に障壁はつきものですが、壁にぶつかったもしくは壁になりそうなものを予想できるならば早めに対処しておきましょう。

そこを回避していては先に進めない場合はうだうだ言っていても始まりません。

優先的に対応しましょう。

例)社内承認がおりないとプロジェクトが進められない場合の社内対応など

優先順位を決めきれないとき

それでも優先順位が決められない場合は簡単なものから選びましょう。

まずは達成するクセをつけることも重要です。

課題の設定

課題はあるべき姿と現状とのギャップを埋めるためにやるべきことで、問題を解決するために起こす具体的なアクションのことを指します。

課題を考えるには上述したとおり問題の設定を行い、優先的に解決するべき問題が選べたらその問題が発生している真の原因を考えることから始めます。

そのためになぜ、その問題が発生しているか?と繰り返し問うてみましょう。

例えば、「売上を期末までに前年比20%上昇」という目標がある場合、「なぜ達成できないのか」と問うてみます。

「得意先の●●商社の売上が伸びないから」なのであれば「なぜ●●商社の売上が伸びないのか」・・・というように繰り返し行ってみます。

それを追求して根本原因を解決することが取り組むべき課題になります。

上記例で、最終的に「●●商社の▲▲さんへ××という製品の紹介を行い印象を確認する」など具体的な行動に落とし込めるまでなぜを繰り返し行いましょう。

また、このなぜを繰り返す際に特性要因図(フィッシュボーンダイヤグラム)を描いてみるとよいです。

特性要因図とは、ある結果と要素の因果関係を視覚的にまとめたものであり、ある結果は、どのような要素によってもたらされたのかを明確にしてくれます。

特性要因図は、結果を指す問題点(特性)、結果に影響する要素の要因、要因のなかで結果に影響を及ぼすものを原因の3要素で構成されています。

3つの構成要素を魚の骨のように整理することで、結果と要素の因果関係をわかりやすくしてくれます。

以下のように書いてみましょう。

◆特定要因図の書き方

①問題点:問題、解決すべきテーマを決め背骨を書く
②要因:4Mを使い大骨を描く
③原因:中骨を描く
④要因の根本原因小骨を描く
⑤漏れを追加する

※4Mとは、品質を管理するために必要な4つの要素をまとめた造語で「Man(人)」「Machine(機械)」「Method(方法)」「Material(材料)」の頭文字を取っています。
ただ、これは品質管理を行うためにできたものなので実際の目標設定に則さない場合があります。そこで各要素の意味をズレない程度に変更して行います。
例えばmachine機械→スキル、method方法→業務、material材料→商品、Man人→組織 などご自身でしっくりくる4Mを当てはめてみましょう。

成果を明確にする

成果は設定された課題に取り組んで得られる結果のことです。

ただ、この成果について明確に設定できていない場合があります。

例えば「やせる!」「売上を上げる!」などはNGです。

あいまいで計測できないためゴールが具体的にイメージできないためです。

成果を設定する際は、達成期限年月日達成基準を誰でも同じように判断、計測可能の要素として設定するようにしましょう。

 「●月●日までに〜できるようになる」

という感じです。

適切な目標になっているかチェックする

問題・課題・成果を明確に設定したら、それが適切なものになっているかどうかチェックしましょう。

目標を解決するために課題を行い、成果を実現できるという構造になっているかということを意識します。

進捗の良し悪しによって追加で課題が増えたり、逆に一つの課題をクリアすることで他の課題もクリア出来たりすることもあります。

問題・課題・成果のステップは行っていくと現実とズレが生じるので都度設定しなおしても問題ありません。

また、進捗が良いからといって調子にのったり、逆に悪いからといって焦って同時にいろいろな目標を追いかけてしまったりはしないようにしましょう。

できれば一つずつ、多くても二つ程度に絞りましょう。

人間マルチタスクを行うことで業務効率が低下してしまいます。

シングルタスクをひとつずつこなしていく方が効率的です。

NG目標について

設定した目標が以下の項目に該当する場合は修正しましょう。

●行動計画について難易度が高すぎる
 ⇒難易度を下げる、もしくはその目標について特定要因図を用いて分解してみましょう

●スキルアップしないとできない(現状のままではできない)
 ⇒出来る状態、スキルアップ後の状態に至るまでの目標を先に解決しましょう。

●数が多すぎる
 ⇒減らしましょう。もしくは優先順位をつけてひとつひとつ行っていきましょう。

●周りからみて行動を実践したかわからない
 ⇒他人からでも見える結果でないとモチベーションは高め辛いです。
  目標達成の結果、他人からも評価できる行動を書き足しましょう。

●誰がやっても同じことを行う基準になっていない
 ⇒奇想天外な方法は自分では正しいと考えるけれど正攻法なのか改めて考える必要があります。
  目的の道を大きく逸れているかもしれないというリスクがあります。
  取り組む前に数日空けて改めて目標を確認してみると良いでしょう。

●「~しない」という目標
 ⇒心が不快に感じてしまいます。
  自分のダメなところを見つめることになるので自覚が無くても不快感を覚えてしまいがちです。
  上手くいかないときなど特にストレスの原因になります。
  目標を達成するためにはモチベーションを落とさないことが大切です。
  モチベーションを高く維持する必要はありませんが、何も行えないくらい下がるのは問題です。
  そういったリスクを回避するために、「~する」に置き換えて目標設定しましょう。
  自分のモチベーションが上がる内容を入れれば最高です。
  例)ダイエットのために「間食しない」⇒「昼食をしっかりとる」などの目標に置き換える。
  

●立派な計画、カタカナの行動計画
⇒人間の頭では文章かすることですっと頭に刻み込まれる構造になっています。
 一度頭でかみ砕くような目標ではなくぱっといえる目標にしましょう。

●抽象度が高い
⇒しっかり、ちゃんと、徹底的、になどの副詞は評価できません。
 必ず評価できる「数値」に置き換えるようにしましょう。

●行動でなく考えること
「心がける」「意識する」「考える」「検討する」は上記の抽象度が高い目標にも該当しますが、心がけたり、意識することは今のその瞬間でも出来るはずです。
今から行動し、そのことで目標が達成するという構造になるように「行動」に書き換えましょう。

●曖昧である
「徹底する」「管理する」「向上する」「育てる」「発展させる」などはそれだけではどのようにというビジョンが浮かびません。数値など評価可能な指標を追記することをおすすめします。

●締め切りがない
⇒設定しましょう。上述しましたが○年●月○日と具体的な設定が大切です。

●やらされ感がある
⇒組織目標や人に言われたことをそのまま目標にしてしまうとやらされ感が出ます。
 売り上げ目標を達成するという組織目標なら、そのために商品知識を身につけるとかターゲットと密に商談できるようにする環境づくりなど自分で考えて細分化してみましょう。
 達成したとしてもあまり変化が無いモチベーションがあがらないので達成した自分の姿を想像し、モチベーションが上がる目標に書き換えましょう。

+αでよりよい目標にするために

実際に目標が完成したら、+αで目標に追加してほしいことがあります。

それは実際の行動と、時間を作る行動を考えることです。

いざ目標を行うにあたって、今までの生活にそのぶんの時間が増えたわけではありません。

皆24時間という時間は平等です。

その目標達成のための行動に取り組む時間の確保が必要になるわけです。

まずは自分の生活のムダな時間があるか考えてみましょう。

無駄な時間がどのくらいあるのか集計し、週何時間取り組めるのか考えてみる必要があります。

目標達成の〆切に余裕を持って間に合うように逆算できれば理想的ですが、どれくらいの時間でどれくらい進捗するのかはやってみないと把握するのは難しいですよね。

まずは動き出してみてその行動にどれくらいかかるなど都度測定してみましょう。

時間をきつく設定してしまうとストレスになり、やる気がそがれてしまいますのでできればゆるめで設定しておくことをおすすめします。

また、ついでにできることを考えてみましょう。

目標項目の中で、同時並行で行った方が効率のよいものなどもあると思います。

ブラインドタッチを習得するために、キーボードは見ずにレポートを作成するとか、身支度や家事をしているときはオーディオブックを聴く、歩行瞑想で朝散歩とマインドフルネス瞑想を同時に行うなど、これをしているときはこれをするという感じでまとめることができるのであればついでに行いましょう。

行動を続けるために

目標を建てたのにいざ行うとなると三日坊主なんて経験の方も多いのでは無いでしょうか。

実際にモチベーション、やる気まかせの目標というのは長期間の目標達成には向かないものです。

そこで目標行動を習慣化することをおすすめします。

過去の記事も記載しているのですがポイントは以下の通りです。

■ 習慣化のコツ

▶ スモールステップ
▶ イフゼンルール
▶ 2ヶ月(66日)以上、週4日以上
▶ ハビットチェーン

スモールステップ

上述したように優先順位から考えていただきたいですが、続けられない人はまず簡単な目標から取り組んでみましょう。

クリアする経験を重ねることで目標に近づく間隔を楽しめるようになります。達成グセをつけるためにおすすめです。

イフゼンルール

人間の行動は「〇〇なとき」に「〇〇をする」というように状況と行動が結びついています。

「朝起きて着替えたら⇒パソコンに向かう」
「90分仕事したら⇒軽い運動をする」
「トイレがおわったら⇒2ページ本を読む」

など結びつけることで習慣化が容易になります。

2ヶ月(66日)以上、週4日以上

66日で行動は習慣化できるようです。

まずは66日を目標に行動してみましょう。次に記載するハビットチェーンと組み合わせて、行動を始めた日から集計してみましょう。

ハビットチェーン

これは記録をつけるということです。その日に習慣化したい行動が全部できたらGoogleカレンダーにチェックを入れていきます。運動やマインドフルネスのアプリなどであれば機能としてあるものが多いです。

人間は積み上げたものを0にリセットすることを嫌う性質にあるようで、今までの行動がもったいないからがんばっちゃうということです。人は得するよりも損することを嫌うので同じ原理なのでしょうね。

アウトプットで見える化する

誰かにアウトプット、つまり目標について話してみたり、発信してみたりしてみましょう。

急に目標といっていたことをやめるとアウトプットした人からそういえばやめたの?と聞かれたりします。大風呂敷を掲げれば掲げるほど辞められなくなりますね。からかいで行ってくる人もいるかもしれませんが、それを力に変えて継続していきましょう

<本記事の出典>

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